自己犠牲ってどう思います?
何年か前、自己犠牲について考えざるを得ない出来事が立て続けにありまして、
その時に出会った絵本です。
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<あらすじ>
これは、神の言葉に過激に沿って生きた男の子の絵物語。主人公ヘンリー・クランプは、3才になったばかりというのに、己の邪心に気づく。それにもかかわらず神が自分を愛してくれると知って、聖句や聖歌をよく覚え日々に唱えた。波間から舞い上がるカモメを見て彼は妹に言う。「僕が死んだら、あの鳥のように天に昇るんだよ」。 朝に夕に何か手伝うことはないかとどういうわけかトンカチ片手に両親にたずね、お菓子を我慢しては貧しい者に小遣いをあげ、聖書を読まない年上の少年たちをいさめ、書物に神の名前が軽々しく扱われていると言って念入りに塗り潰す。心ならずも悪魔のささやきに乗ってしまった時は、激しく後悔して改悛の祈りを捧げた。 そしてある寒い冬の午後、善行のあとの帰り道に、大粒の雹(ひょう)にあたって風邪をひき、あっけなく翌日には死んでしまった。ヘンリーわずか4歳と5か月。最後のページは鳥の彫刻がついた白い墓の絵。
(Amazonより引用させていただきました)
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商品説明で全部書かれちゃってる気がしますが(笑)
以下、補足でネタバレです。
ヘンリーが亡くなった直接の原因は、
寒いなか自分のパンプディングを貧しい未亡人に届けたあとに風邪をひいたからです。
初めてこれを読んだ時、どう解釈して良いのかわかりませんでした。
美しい魂のまま亡くなった善良な子供の話ととらえることもできます。
だけど、このモヤモヤはなんだろう??
そして訳者のあとがきを読んで、ようやく合点がいきました。
この作品は著者であるエドワード・ゴーリー氏の、
『キリスト教への盲信に対する強烈な皮肉』
なんですよね!
(今なら皮肉だってすぐにわかりますが、読んだ当時は本当によくわからなかったのです^^;;)
かなり異常ですよね。
3、4歳の子供が自己犠牲の精神で暮らすなんて。
ヘンリーの信心は、どこか芝居がかっていて周りへのアピールのようです。
もちろん幼い子供ですから仕方ないとも言えますが、
私も人の親なので親御さんの気持ちを考えれば
(他の子と同じように)多少やんちゃでも、生きていてほしかったと悔やむと思います。
*
うちの娘はどう感じるだろう?と読んでもらいました。
「こんな子供はイヤだ。ここまでいくと気持ち悪いと思う。」
だそうです。
そう思えるなら・・ちょっと安心です(笑)
(補足)
誤解のないように書いておきますね。
私は宗教に関しては否定していませんし、
心穏やかに暮らすには必要な場合もあると思っています。
ですが、『盲信』に関しては否定しています。